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ブラック研究室。それは大学院生が放り込まれるかもしれない闇のアジト。在籍時代のエピソード・Web/アプリ開発の備忘録など。

Phase29 金縛りにあったあの夏の日はブラック

 

前回、ハードウェア(チップ)設計の世界はいかに残酷かということをお伝えしました。

 

結局、パソコンとかデジタル機器は、0か1かしか記憶できないアホの集合体であること。

でも、そんなアホが数億・数兆と集まることで、凄まじいスピードで膨大な計算ができ、人を凌駕した。

この世界を知ったおかげで、そんな気持ち悪い語りが実感を込めてできるようになったのですが、一体誰が得するんだろうか…。

 

 

それはさておき、

チップ作りは、まさにデスマーチという名の窮地に陥っているわけですが、

 

そんな時、旗から見た人はこう言うでしょう。

「困った時は、人を巻き込みなさい」と。

 

かー。なんというお言葉。身にしみますねー。

素晴らしい!

 

 

 

素晴らしいほどのテンプレ!

とりあえず、これ言っとけば良いだろ的なやつね。

 

 

だから僕は、それに対して、こう返すでしょう。

「そうだね。でも本当に困ってる時って、周りに誰一人として居ないんだよね」と。

 

なぜそこまで僕はひねくれてしまったのか、

それは、今後のエピソードを見ていただければわかるかもしれません!(白目)

 

こんなにも危機的状況

修士2年の夏。中間審査まで、あと半年ほどしかなかった。

 

チップ作りは、全30機能のうち、まだ3〜4機能しか実装に取り掛かれていなかった。

進捗率は、10%未満といったところ。

 

まずいぞ…。このままでは終わらない…。

そして、この時点ですでに寝不足がきていた。

 

ライフサイクルは、このパターンを一生繰り返す感じだった。

1日目:昼にラボに来て、夜に作業がノッてきたためおうちに帰らず。

2日目:朝5時〜9時ぐらいまで死んだようにソファで仮眠。(たまに金縛りにあう)

    起床後、近くのスーパー銭湯で生き返る。作業再開。

    夜11時ごろまで作業し、終電でおうちに帰宅。

    帰宅後も、リモートデスクトップで夜中2〜3時まで作業。

 

 

モチベーションが上がる作業では決してなかったため、

基本的に、変なテンションになる夜中が一番捗った。

 

で、力尽きてソファで仮眠をとると、2回に1回は金縛りにあった。

初めて金縛りにあったとき、怖くて心の中で絶叫したが、

そのうち、「あぁ、またか。はいはい、このパターンね。」とやり過ごせるようになっていた。

 

 

時事ネタを絡めると、

「デバックまじ半端ないって!」「こんだけ作業あるなら、先言っといてや!」って状況だった。

 

この体制を一刻も早く、なんとかしなければいけなかった。

 

「ワンオペ」かつ「OJT」というブラック

このチップ作り、いつの間にか、僕のワンオペと化していたのだ。

いやいやいや、どゆことよ。ひどすぎ。

このシフト、すき家よりブラックなんですけど。

 

 

というか、考えてみると色々とおかしかった。

 

このデスマプロジェクトをやる前、僕はチップ作りのノウハウを一切持っていなかった。

ましてや、この研究室がノウハウを教えてくれるわけもなかったので、

瞬時に学んで、それを瞬時に実装して・・・っていう過酷な状況だった。

つまり、完全に何も作戦会議が無いまま、特攻させられて、死なされるのだ。

 

「これぞ、オン・ザ・ジョブ・トレーニングだ!ヌワッハッハッハッハ!!」

と、竹内力みたいな強面が、高笑いして言ってそうなイメージ。

 

まじでブラック。てか、OJTってそういう意味じゃないからね。

 

 

人を巻き込むという神の手段は、時として役に立たない

神「べっくす君の、チキショウ一週間はどんなのだい?」

僕「月曜日は、ラボに泊まり〜、火曜日は金縛りにあって〜」

神・僕「土曜日は、はーたーんー!」

 

元ネタです。全然面白くなくて相当爆笑できます。(どゆこと?)


コウメ太夫のチクショー1週間 笑ってしまったら引退

 

 

神「この状況、まずいよね?なんとかしたいよね?」

僕「はい。神様ならこの状況なんとかできるんでしょうか?」

神「もちろん。じゃあ、早速、他にチップ設計ができる人を巻き込もうか」

僕「あたってみます!」

 

 

■他にチップ設計の知識があるメンバー

・ハッカー

  → 崩壊しているファービープロジェクトに引っ張られて今絶対無理。

・ちびっこ先生

  →このプロジェクト、ましてや動画圧縮自体に何が何でも関わろうとしない。

以上。

 

僕「無理でした!」

神「なるほど。じゃあ、はたんだね」

僕「ケッ、救いの神なんてあったもんじゃない…。消えな!」

 

こうして、状況は変わらなかった。

 

それでもマンパワーを僕は信じた

それでも、この研究室がないがしろにしてきたものを、僕は信じたかった。

 

それは、他の研究室では当たり前のように繰り広げられている、

 

先輩が後輩を育て、その後輩がそのまた後輩を育て・・・というシステムの可能性だ!

 

良い言い方をすると、自律的な教育のかたち。

悪い言い方をすると、先輩が一生楽できるマルチ商法だ!

 

次に僕は、この可能性に挑戦してみようと思い、立ち上がった。

 

僕「ゴール君、ちょっといいかい?」

ゴール君「べっくす先輩、お久しぶりです!目が死んでますね、ハハハ」

 

同じ動画圧縮チームの1コ下の後輩、ゴール君に白羽の矢を立てた。

ゴール君に、チップ作りのノウハウを叩き込むことで、人材不足を解消だ!

 

 

次回、果たして、この戦略はうまくいくのか?!

では、また!!!

 

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Phase30 ゴール君の要領の良さはブラック